テキストサイズ

桜の夢

第10章 50cm

「何って…別に」

「嘘言うな。あんな状態なのに何もない訳ないだろ。今日も会ってたくせに」

「嘘じゃない。大したことじゃないだけだ」


俺はさっきのことを話した。

ほんとに大した話じゃない。

心愛を守りたかっただけだ。

俺が話してる間、誠司はずっと黙って聞いていた。

だが、聞こえてくるのは沈黙でなく店の喧騒。

それが無性に悲しかった。


「…それで、お前は心愛ちゃんと話さないことにした、と」

「ああ」

「お前は馬鹿「馬鹿じゃないの?!」


えっ?!誰?!


「心愛が今、どんな状態か知ってんの?!」


それは間瀬だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ