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桜の夢

第11章 黒と水

教室に戻るまでは、嫌悪の視線を感じたり、何かこちらを見てひそひそと話す姿は見たが、特に何もされなかった。

とりあえずは一安心。

そうやって教室まで戻ると、真緒ちゃんが教室前にいた。

真緒ちゃんはどこか落ち着かない様子でキョロキョロしていた。

顔も不安そうである。


「真緒ちゃん?」

「へっ?!心愛ちゃん?!」

「ご、ごめん。驚かせちゃった?」

「ぁあ、うん。べ、別に何でもないよ!」


そう答える真緒ちゃんはどこか不自然だった。

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