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桜の夢

第11章 黒と水

女子トイレに入ると、先に入った真緒ちゃんの他にも何人かいた。

その顔にはどこか見覚えがあった。

この茶髪ロングの子、どこで見たんだっけ…。

リボンの色からして同学年なんだけど…。

その子を含めた中にいた人たちは、私が入ってくるとひそひそと何かを話し始めた。

もう、面倒くさい。

私は無視して真緒ちゃんに話しかける。


「真緒ちゃん大丈夫?」

「え、うん……」


そう言って真緒ちゃんはうつむいてしまった。

そして再び顔を上げた真緒ちゃんの顔には涙が流れていた。

真緒ちゃん…?

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