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桜の夢

第11章 黒と水

トイレから出ると皆の視線を一気に浴びた。

そりゃ当たり前か。

びしょ濡れな人間がトイレから出てきたんだもん。

私はその視線をくぐり抜ける様に廊下を突き進んだ。

とりあえず身体を拭けるものが欲しい。

だから戻りたくはなかったが、教室へと向かった。

教室に入るとさらに皆の視線と沈黙を浴びた。

もう面倒臭い。

反抗する気力もない。

鞄の中のタオルを取り出そうと鞄に手を入れた時だった。

その手を誰かに捕まれた。

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