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桜の夢

第11章 黒と水

「心愛」


名前を呼ばれた。

誰に呼ばれたのかは分かってる。

誰に腕を捕まれているのかも分かってる。

ここ数日間、避け続けていても分かってる。

でも怖くて返事も、そちらを見ることも出来ない。

心の中の黒いものが急速に広まる。

私が動けずにいると、強引に腕を引っ張られて向かい合わせにさせられた。

案の定、流星がいた。

まっすぐな瞳でこっちを見ていた。

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