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桜の夢

第12章 枝垂桜

「心愛は悪くない。周りに迷惑をかけない様に頑張ったんだよな?」


私は答えない。

答えられない。

代わりに流星の胸に顔を押し付けた。

流星は更に左手で背中をさすってくれる。


「それは変なプライドとかじゃなくて心愛の優しさだ。謝ることじゃない」


嗚咽はどうにか隠せてる。

でも涙は止まらない。


「謝るのはそれが分かってて何も出来なかった俺だ。ごめんな」


違うよ。流星は悪くない。

でも、もうそれを伝えられなかった。

これ以上、嗚咽を我慢できない。

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