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桜の夢

第2章 夜桜

いきなり声をかけられ驚いて振り向くと、奥の方から見たことある顔が近づいてきた。

あっ、今朝の絆創膏の人だ。

桜の下を通って来るので、まるでドラマのワンシーンみたいな幻想的な雰囲気である。

名前は、ナカタニ…じゃなくて…ナカムラ…でもない…。

う~ん、きちんと名前覚えておけばよかったな。

な、ナ、な、……。


「流れ星君!」


あ、ずっこけた。

ほんとに人ってずっこけるんだ。


「流れ星って…。あながち間違っちゃあいないけど、あんまりじゃね?」


彼は苦笑い。

そりゃそうだ。

言った私も赤面ものである。


「ごめん、ちゃんと覚えてなくて…」

「いや、いいよ。名前覚えてるて思ってたのは、俺の自意識過剰だったみたいだし…」


彼は最後の方を消えそうな声で言ったので、後半が聞き取れなかった。

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