桜の夢
第2章 夜桜
「え?なんて?」
「い、いや、なんでもない。それより、俺の名前は仲里流星。出来れば覚えてくれると嬉しいんだけど」
そうだ、仲里君だ!
「ごめんね、仲里君。それにしても、よく私の名前覚えてたね」
「あ…っと、それは、まぁ…」
よく分かんないけど赤面する仲里君。
「そ、それよりさ」
あっ、話そらした(笑)
「流星でいいよ。そっちの方が呼ばれ慣れてるし」
…。
男子を下の名前で呼ぶのは、ちょっと抵抗がある。
小百合ならこんな時、簡単に読んじゃうんだよね…。
まぁ、いつまでも過去を引きずる訳にもいかないから呼んでみるか。
「分かった。流星でいい?」
「おぅ!じゃあ心愛って呼んでいい?」
この申し出も少し悩んだけど、同意した。