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桜の夢

第14章 一歩

私は学校の門の前で立ち止まっていた。

周りの生徒からは不審な目で見られている。

その視線は痛々しく私はその場から逃げたかったが、それでも動けない。

学校に行かなきゃ…でも怖い。

流星のメールで、嫌がらせはもう無いだろうってことは分かっている。

それでも…怖い。

やっぱり帰ろうかな…


「あ!心愛!」

「えっ?」


驚いて振り向くと小百合がこちらに走ってきていた。

いつものあの笑顔全開で、大きく手を振りながら―。

そして小百合はそのまま私に飛びついた。


「心愛、久しぶりっ!おはよっ」

「うん…お、おはよ…」

「あれ?まだ体調よくない?」

「い、いや…そうじゃなくて…」


小百合が普通に話しかけてくれたことが嬉しい。

それで戸惑ってしまっただけだ。

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