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桜の夢

第14章 一歩

教室の扉を開けると皆の視線が集まる。

うぅ…やっぱり、怖い…

そう思っていると―


「心愛ちゃんだー!おはよっ」

「ずっと休んでたけど大丈夫?」

「東城さん、久しぶり」

「病み上がりなら無理するなよー」


クラスメイトからかけられる数々の言葉。

その言葉にぽかんとなる。


「皆、心愛のこと心配だったんだよ?」


小百合が後ろから言う。


「なんでいきなり…」

「そりゃ心愛。クラスの人気者だもん」

「に、人気者?!」

「あれ?その辺も気づいてなかった?心愛って美人だし、明るいし、話しやすいから人気なんだよ?」


そう言うと小百合はにこにこ顔で私の背中を押して、教室に入る。

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