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桜の夢

第14章 一歩

私は真緒ちゃんを追いかけた。

真緒ちゃんは人にぶつかるのも構わず、ひたすら廊下を走っていく。


「痛てぇなぁ…謝れよ!」

「無視してんじゃねーよ!」


ぶつかられた人の何人かは走り去る真緒ちゃんに向かって怒鳴っている。

私はその隣を「ごめんなさい」と言いながら走り抜けた。


「真緒ちゃん、待って!」


私は叫びながら追いかけるが、真緒ちゃんのスピードは変わらない。

待って、待ってよ真緒ちゃん…

色々聞きたいことがあるのに…

色々言いたいことがあるのに…

すると突然、職員室の前辺りで真緒ちゃんが停止した。

止まった、というよりは停止である。

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