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桜の夢

第14章 一歩

よく見ると真緒ちゃんは珠理に腕を捕まれていた。


「いやっ!離して!」

「落ち着け、真緒」


珠理は再び走り出そうとしている真緒ちゃんを引っ張って止めている。

その間に私は2人のもとに辿り着いた。


「珠理、おはよ。てか、なんでここに?」

「あっ心愛だ!久しぶり。私は朝練終わって、職員室に鍵を返しに来ただけ」


珠理は久々に会った私を見て喜ぶ。

そして、ふと真顔になり、嫌がる真緒ちゃんを見て、再び私に顔を向けた。


「なるほどね…そういうことか」


そう言うと珠理は真緒ちゃんの身体を無理矢理私と向かい合わせにした。


「やっ…珠理ちゃん離して…」

「まーお!あんた謝らなきゃいけないんでしょ?逃げちゃ駄目」

「…」

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