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桜の夢

第14章 一歩

真緒ちゃんは黙り込んでしまった。


「心愛。一回、真緒としっかり話してあげて。心愛がいない間、ずっと悩んでたから」

「うん。私もそのつもりだったよ」


私は真緒ちゃんをまっすぐ見る。

真緒ちゃんは俯いている。


「真緒ちゃん、ちゃんと話そ?」


真緒ちゃんは俯いたままだ。

私は真緒ちゃんの両手を取り、再び呼びかける。


「ねっ、真緒ちゃん」


真緒ちゃんはようやく顔を上げた。

その目には溢れんばかりの涙が溜まっていた。


「心愛ちゃん…」


そして、真緒ちゃんは私に抱きついた。


「心愛ちゃん、心愛ちゃん!ごめんなさぁああい!!」

そのまま真緒ちゃんは泣き出してしまった。

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