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桜の夢

第15章 変身

「私はね、毎日コテ使ったり化粧したりするのに、朝早くに起きて頑張ってるの。可愛い服とか道具の為に必死なんだよ」


小百合はまっすぐ私を見ている。


「心愛は元々可愛いし、そのままで十分だと思う。でも、可愛くなりたいなら努力しなきゃ駄目」


小百合は真剣だった。

私は直ぐに申し訳ない気持ちになった。


「ごめん、小百合…」

「まぁ別にいいけどね…。で?心愛は可愛くなりたいの?」


努力したら流星はどういう反応をするだろう…。

可愛いって言ってくれるかな?

好きになってくれる…かな?

彼女…にしてくれる……かな………?


「…………可愛いくなりたい」

「ほんとに?」

「うん。ほんとに」

「分かった。じゃあ協力する」


小百合は笑った。












―悪い笑顔で。

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