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桜の夢

第15章 変身

「ねぇ、こ・こ・あ。今日お金いくらある?」

「えっ…バイト代入ったからそこそこあるけど…」

「ふ~ん…じゃあ、あれ買って、これ買って…」


小百合は一人でブツブツ言い出す。

独りの世界に旅立っているようである。

そして突然私の手を掴み、キラキラの笑顔を向けてきた。


「よし!じゃあまずは服屋さんに行こう!」

「ふぇっ?行こうって…??てか、"まずは"?!」

「な~に言ってんの!今日はいっぱい回るからね!!」


小百合は私の手をぐいぐい引っ張る。

私は小百合に連行された。

―その日は1日中小百合に引っ張られた。

お陰であんなにあった財布の中身がすっからかんになった。

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