桜の夢
第15章 変身
「可愛いよ」
俺は自分でも聞こえないくらいにその言葉を言った。
俺の"可愛い"って言葉はレアなんだからな…
まあ心の中じゃ、しょっちゅう思ってるけどな(笑)
「えっ、流星君。聞こえないんだけど」
「流星、もう一回」
どうやら俺の必死の言葉はほんとに聞こえなかったらしく、2人は聞き直してきた。
2回目なんてこっぱずかしくて言えるかよ!
「…言えない」
「えぇ~なんで!」
「聞こえなかったんだから、もう1回言えよ」
そう口々に言う間瀬と誠司。
心愛は俯いていて表情が読めない。
…どういう顔をしてるんだろう?
キーンコーンカーンコーン…―
あっ、チャイムだ。
ナイスタイミング(笑)