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桜の夢

第16章 船橋さん

そこからの船橋さんの行動は素早かった。

まず、運ばれる予定だった席に丁寧に謝罪し、厨房にその料理を新たに頼みに行った。

私はというと呆然としていて、その場で静止状態。

だが、ぶつかった相手がホウキとちり取りを持ってきたのを見て、我に返る。

私も当事者なのに呆けてちゃ駄目だ!


「すみません!私も手伝います!」


割れた食器を片付けようと、破片を触った。

しかし、素手で触れてしまったので手の平を切ってしまった。


「―っ!」


驚いた私は思わず手を引っ込める。

そしてまずいことに、その現場を船橋さんに見られてしまった。

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