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桜の夢

第16章 船橋さん

「なんか今日はぼーっとしてたみたいだし、また前みたいに辛いことでもあった?」


…言えない。

船橋さんが気になって見てたなんて言えない!


「い、いえ、ちょっと考え事しちゃってただけです。心配かけてすみません」

「そう?でも考えすぎもよくないよ?」


そう言うと船橋さんは、いきなり私の手の甲をいたわる様に撫でた。


「ふ、船橋さん?!」


しかし船橋さんは、私の反応なんかお構い無しに撫で続ける。

私はだんだんと顔が赤くなり、されるがままだった。


「ねぇ、前に俺が言ったこと覚えてる?」


船橋さんはその状態のまま私に聞いた。

前に言ったこと?

私、何を言われたっけ??

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