テキストサイズ

桜の夢

第17章 後悔

私は正体不明のパックジュースを開けて、ストローをさす。

中に見えるジュースの色は白。


「ねぇ、これほんとに何味?」

「だから、飲んでからのお楽し…み―」


急に流星の言葉が止まった。

そして、ある一点を見つめている。

不思議に思いその視線の先を探ると―私の手だった。


「心愛…その手どうしたんだ?」

「あぁ、さっき割れた食器で切っちゃったんだ」


流星に心配させたくない。

その思いで私は明るく言った。


「切っちゃったんだって大丈夫なのか?!」

「大丈夫だよ。ちゃんと手当てもしてもらったし」


私は大丈夫なことを誇張するように、流星の目の前で手をぐーぱーした。

実はちょっとだけ痛むけど、大丈夫なことには変わりない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ