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桜の夢

第18章 雨

それでも頑張って自分を動かし、ぐちゃぐちゃの顔をなんとかし、身支度を整えた。


「いってきまーす…」


私は重い足取りで学校へ向かう。

雨はさっきより強くなっていた。

傘に跳ねて音が響く。

その音が私を憂鬱にさせる。

学校で流星になんて言おう…

とりあえず謝って、それから誤解をといて、それからそれから…

駄目、また泣きそうだ。

私はおもいっきり頭を横に振った。

いつから私はこんなにも弱くなったのか。

こんな弱気じゃ駄目だ。

ちゃんと謝らなきゃ。

泣いてる場合じゃない。


「流星…」


灰色の空を見上げながら呟く。

流星、大好き。

傷つけてごめんなさい。

ちゃんと謝るから…

だからお願い。

嫌いにならないで…

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