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桜の夢

第18章 雨

私はそのまま教室まで走った。

途中、廊下で人にぶつかったり「危ねぇな!」と怒られたりしたが、そのまま走った。

明らかに変な目で見られてもそのまま走った。

そうして辿り着いた教室の前―。


「大丈夫…大丈夫…」


私は、扉の前で乱れた呼吸と気持ちを整えようと、小さな声で呟く。

だが、緊張からかなんなのか、なかなか落ち着かない。

駄目だ、落ち着かなきゃ…

深呼吸、深呼吸…



……………



…………………



………………………




(よしっ)


私は覚悟を決めて、教室の扉を開けた。

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