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桜の夢

第18章 雨

教室には、雨に加えまだ早い時間なのに、結構人がいた。

そしてその中には雨だから朝練もないだろう流星もいて、私の席にいつもの様に座っている誠司君と楽しそうに話している。

まだ私には気づいていない。

私はゆっくりと2人に近づく。


「あははははっ!!それ、あり得ねぇよ!!」

「いやいや、実際の話なんだって!!」


楽しげな雰囲気がこっちまで伝わってくる。

なのに私は、全くもってそんな雰囲気にはなれなかった。

私が行ったらこの雰囲気を壊すんじゃないのかな…

…って、だめだめ!

流星とちゃんと話さなきゃ!

私は2人の間の机―つまり流星の机の横まで近づいた。

すると(ようやくではあるが)誠司君が私に気づいた。


「あ、おはよ。心愛ちゃん」


誠司君はにっこり笑った。





















流星はこっちを見なかった。

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