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桜の夢

第18章 雨

「おい、心愛ちゃんが来たんだから何か言えよ~」


誠司君はさっきまでの雰囲気そのままに言う。

だが、流星の雰囲気はさっきまでとは明らかに違う。

温度が2、3℃下がった気がした。


「おい、流星…?」


誠司君も流石に気づいた様で、眉をひそめる。

すると突然、流星は立ち上がった。


「ちょ、流星?!」


誠司君の制止も聞かずに、流星は教室を出ていった。

私は何も出来なかった。

言うことすらも出来なかった。


「心愛ちゃん、流星と何かあった?」


誠司君が席を譲りながら、心配そうに私に聞く。


「なんにも…」


嘘だ。

色々とあったよ。

でも………



私はそのまま机に伏せ、静かに泣いた。

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