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桜の夢

第21章 過去と今

「ここちゃ~ん、一緒に帰ろっ」

「うん!待って、今行く!」


それは中学3年の秋のこと。

私は高校受験のために塾に通っていた。


「ねぇ、ここちゃん」

「ん?なぁに??」


その日私は、当時仲がよかったはなちゃんと一緒に歩いて帰っていた。

ちなみにこの時のあだ名は"ここちゃん"

今じゃ誰も呼ばない(笑)


「蒼太の噂、知ってる?」

「噂??」

「あのね…」


そこではなちゃんは口元に手をあて、私に囁いた。


「蒼太、ここちゃんのこと好きなんだって」


………はい?


「いやいやいやいや…嘘でしょ?そんなの、本当な訳ないじゃん!」

「それがどうやら本当らしいよ!ここちゃん、羨ましい!!」


はなちゃんは目を輝かせながらうっとりと言った。

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