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桜の夢

第21章 過去と今

でも私は正直に言った。


「ごめん、蒼太…私は蒼太と付き合えない……」

「………どうして?」


私の肩を掴む力が強くなる。

痛かったけど、私は構わず続けた。


「私、蒼太にそんな感情が無いんだ。だからごめん……でも―」


『いつかそういう気持ちが生まれたら…』

そう続くはずだった。






ドンッ―――






「きゃっ…」


私は机に押し倒された。

さっきまで壁を向いていた視線は天井の方を向く。

そして、目の前にある蒼太の顔を見た。

その顔は…とてつもなく不気味だった。

口元は笑っていたが、目は何かを睨むかのようなきつい目付き。

いつものあの蒼太じゃなかった。

とにかく…恐かった。


「僕の告白を断るとか、いい度胸じゃん」

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