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桜の夢

第22章 桜の夢

着いたのは屋上。


「流星、一体どうしたの?」

「別に」


流星は少し顔を赤らめて笑う。

てか、別にって…じゃあ教室でいいじゃん!

そして、流星は私の頭を優しく撫でた。

正直な話、小百合に撫でてもらうより嬉しい。

撫でてもらいながら、私は今朝の夢を思い出す。


「今日ね、夢を見たの」

「夢?」

「そう…流星と会ってから今までの夢」

色んなことがあったよね。

私、全部覚えてるよ。


「それって……この間のこともか?」


撫でる流星の手が止まる。

顔も少し辛そうなものになる。

私はなるべく心配させぬように、出来るだけ笑顔で頷いた。

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