桜の夢
第6章 満開とハイチュウ
するとそのハイチュウを私の口に押し込んだ。
「んぅっ」
行動は船橋さんと同じなのに、その手に、表情に、視線に熱くなる。
せっかく収まった顔の熱や胸のどきどきが舞い戻る。
なんで?流星だから?
「同じ手を使うなんて、ほんとは気が進まないけど…」
流星は私の唇に当たっていた指を離す。
「これで俺の方が印象に残るだろ?」
そうやっていつも見たいに、にかっと笑った。
なぜだか、顔を赤くしながら。
でも、それ以上に私の顔は赤くなってたと思う。
せっかくの桜なんて、どうでもよくなっちゃった。