桜の夢
第1章 出会い
「おい、流星」
「おっ、誠司!」
そうやって仲里君は廊下から届いた声の方に行ってしまった。
行く途中にくるっと振り返り、例の笑顔で「これからよろしくな、東城!」と言いながら。
あれは、モテる男だわぁ…。
そう思いながら仲里君に右手を軽く振っていると、その仲里君の席に小百合が座ってきた。
「心愛!今、流星君と喋ってたよね?!」
小百合はキラキラした目で聞いてきた。
やっぱ、小百合のタイプか。
そして、下の名前なのね…。
「別に絆創膏貼って、挨拶しただけだよ?」
「絆創膏!挨拶!」
小百合はきゃはーって感じで有頂天である。
いやいや、可愛いんだけどさ、少女漫画の読みすぎではないですか?小百合さん?