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桜の夢

第8章 優しさ?


私はおそらくぎこちない笑みになっている顔に、更なる笑みを無理矢理作って答えた。

お願いだから、倒れた理由は聞かないで。


「ふーん…。」


流星はそんな私をしばらくじっと見て、そして笑った。

でも、その笑顔はいつもあの笑顔じゃなかった。

どこか悲しそうで、辛そうで…そんな笑顔。

なんでそんな顔をするの?

やめてよ、流星はもっと楽しそうに笑うんだよ。


「教室行こうぜ」


流星はその笑顔のまま私を促した。

私は静かに頷いて、従うしかなかった。

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