喪失、そして再生~どこか遠くへ~My Godness完結編
第4章 ♣永遠の女神♣
「クリスチャンになったのは、いつから?」
その質問に対しては、眞矢歌は少し考え込んだ。
「そうね、母が熱心なクリスチャンだったから、私も小さい頃から母と一緒に教会に行っていたの。昔はこの町に小さな教会があってね、そこに通っていたわ。でも、牧師さまが歳をとって亡くなってしまってから、無人になってしまってたのよ。すっかり荒れ果てたから、十年前くらいに取り壊されたの」
眞矢歌は心底残念そうに言った。
またしばらく無言が続く。今度も先に口を開いたのは悠理であった。
「さっきの話だけど」
「え?」
眞矢歌が眼を見開く。
「何の話だったかしら」
「だから、俺たちの結婚式の話だよ」
その刹那、眞矢歌が黙り込んだ。
彼女が何も言わないので、悠理は焦れた。
「どうして何も言わないんだ?」
眞矢歌は何か言おうとして、ふいに口をつぐんだ。
「私に同情なんて、しなくても良いのよ」
ふいに落ちた呟きに、悠理はハッとした。
眞矢歌の瞳が濡れている。
「どうして、そんな風に考えるんだ?」
「前にも話したように、私は悠理さんの子どもを生むことはできないわ」
「でも、昨日は俺の想いをちゃんと受け容れてくれたじゃないか」
悠理が憤慨したように叫ぶと、眞矢歌は淋しげに笑った。いつもよく見せるあの儚げな微笑みだ。
「付き合うことは承知したけれど、プロポーズまで受けたわけじゃないでしょ」
悠理は顔をしかめた。
生まれ育った環境がこれほど違うにも拘わらず、早妃と眞矢歌には、何と多くの共通点があることか。優しさ、風雨にさえすぐに折れてしまいそうなほど儚げで脆いのに、存外に内に秘めているしなかやな強さにしても、そうだ。
その質問に対しては、眞矢歌は少し考え込んだ。
「そうね、母が熱心なクリスチャンだったから、私も小さい頃から母と一緒に教会に行っていたの。昔はこの町に小さな教会があってね、そこに通っていたわ。でも、牧師さまが歳をとって亡くなってしまってから、無人になってしまってたのよ。すっかり荒れ果てたから、十年前くらいに取り壊されたの」
眞矢歌は心底残念そうに言った。
またしばらく無言が続く。今度も先に口を開いたのは悠理であった。
「さっきの話だけど」
「え?」
眞矢歌が眼を見開く。
「何の話だったかしら」
「だから、俺たちの結婚式の話だよ」
その刹那、眞矢歌が黙り込んだ。
彼女が何も言わないので、悠理は焦れた。
「どうして何も言わないんだ?」
眞矢歌は何か言おうとして、ふいに口をつぐんだ。
「私に同情なんて、しなくても良いのよ」
ふいに落ちた呟きに、悠理はハッとした。
眞矢歌の瞳が濡れている。
「どうして、そんな風に考えるんだ?」
「前にも話したように、私は悠理さんの子どもを生むことはできないわ」
「でも、昨日は俺の想いをちゃんと受け容れてくれたじゃないか」
悠理が憤慨したように叫ぶと、眞矢歌は淋しげに笑った。いつもよく見せるあの儚げな微笑みだ。
「付き合うことは承知したけれど、プロポーズまで受けたわけじゃないでしょ」
悠理は顔をしかめた。
生まれ育った環境がこれほど違うにも拘わらず、早妃と眞矢歌には、何と多くの共通点があることか。優しさ、風雨にさえすぐに折れてしまいそうなほど儚げで脆いのに、存外に内に秘めているしなかやな強さにしても、そうだ。