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雪月花

第4章 保健室

「無理しちゃ駄目よ






……東城さん」



その名前を聞いた瞬間止まった。


手だけでなく、思考も一瞬止まった。


東城…?


確かに声をよく聞けば東城だ。


俺は、なんとなくカーテンを開けられなくなってしまった。



「ご迷惑をお掛けしてすみません」


「病人が謝んないの!!…それにしても最近、ほんとに無理しすぎでしょ?」



明るかった保健医の声が一気に真剣になる。


そしてしばらくの沈黙―とても居心地が悪かった。



「やっぱり…分かります?」


「そりゃね。貴女が表に立つような性格じゃないことくらい知ってるもの」

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