雪月花
第5章 球技大会
ちょっとだけ間。
「じゃあ…よろしくね」
東城は安心したような顔で言い、すぐに別のヤツに呼ばれてそっちに向かう。
なんだかんだで不安だらけなんだろうな。
これだけ頑張っているんだ。
東城のためにも成功させたい。
俺は決心をした。
そして、決心したことがもう1つ…
右手をジャージのポケットに突っ込む。
そこにあるのは携帯電話。
昨日の夜、本当に久し振りにあいつにメールした。
『球技大会の昼休み 体育倉庫裏』
あり得ないほど簡単なメールだが、伝わるだろう。
きちんと終わらせないと前に進めない。
佐野との関係をきちんと終わらせるんだ。
俺は審判の説明をしながら、頭の片隅でそんなことを考えていた。