雪月花
第5章 球技大会
「この試合で徹底的に潰してやるよ」
ニヤニヤする名前も覚えていない奴。
東條を馬鹿にして、あいつが無理をする様になった1番の原因―。
まったく、見るだけで虫唾が走る。
「あんた、ひとつ勘違いしてるよ」
俺の元にボールが飛んできた。
素早くキャッチして、その場でドリブルをする。
「別に俺ら、バスケが出来ない訳じゃないし」
相手が一瞬、「えっ…?」と言う顔をした。
その隙に俺は、目の前の奴をすり抜ける。
そう。
このチームは一応、クラスの上手い奴が集められたチーム。
私情も込めて、そう簡単に負けるつもりはない。
体育のバスケ、なめんなよ(笑)
俺はそのままゴールまで突っ走ってシュートを決めた。