雪月花
第5章 球技大会
結局―
「48対72で1-4の勝ち」
審判の声がコートに響くと、周りから黄色い声が押し寄せる。
揃って挨拶をして顔を上げると、目の前には悔しそうなあいつらの顔。
なんだか少しだけ気分がすっきりした。
「りゅーせぇー!!!!」
鬱陶しい黄色い声の中から、何やら大声で自分を呼ぶ声があるのでそちらを向く。
案の定、誠司だ。
「バスケ勝ったんだな。おめでと!」
「俺がいて負けねぇよ?」
「うわっ、うざっ」
「はは、流石に冗談。でも、負けたくなかったからさ」
そういうと誠司が俺の頭を叩いてきた。
「痛ぇよ!何すんだ!!」
「うっせぇ!この色男!!」
…褒めてるんだかけなしてるんだか、分かんねぇ。