雪月花
第5章 球技大会
「そういえば野球はどうなった?」
俺はタオルを首に掛け、ペットボトルのフタを開けながら尋ねた。
「あぁ、2回戦まで勝ったよ。梅本が頑張ってんだ」
「へぇ~…流石、梅本だな」
ペットボトルの中身を飲みながら、俺は感心した。
梅本は俺と同じピッチャーで、周りから見ればライバル同士だ。
ただ、梅本も俺もそんな風には思っておらず普通に仲がいい。
というか、あいつの中に「ライバル」という文字があるのか謎である。
「ところで、流星ってしばらく暇?卓球の応援に行かね?」
「ん、分かった。顔洗ってくるから待ってて」
そう言って俺は、一足先に体育館を後にした。