雪月花
第5章 球技大会
体育館を出て手洗い場に行くまでに、色んな奴に話しかけられた。
それは称賛の言葉ばかりだったが、俺が気になったのは周りの話しかけてこない女子達だった。
こそこそしていて、きゃっきゃと俺を見てはしゃぐ姿。
正直、嬉しくなんかない。
こういう反応は本当に嫌いだ。
少しイライラした気持ちで手洗い場の列に並んだ。
「ねぇ、流星君かっこよくなかった?」
「流星君?誰それ?」
「ほら、さっきのバスケの6番だった人!」
ほら、前の女子もそんな話だ。
褒められて嬉しくない訳じゃない。
ただ、外見しか見ていないその言葉に飽き飽きする。
「6番って…どの人?」
「んもぅ!最初にシュート決めた人!」
「あぁ…あの人か…」