雪月花
第5章 球技大会
「心愛的にはどう?」
ん?心愛??
驚いて前をよく見ると、なんとそれは間瀬と東城だった。
いきなり過ぎて、思わず固まる俺。
しかも2人とも、俺に気づいていない。
「ん~何かあれだよね…」
「あれって?」
「えっと…」
手を洗いながら考える東城。
ザァーッという水の音がうるさい。
なぜか気になったその後の言葉を、俺は水の音の陰から必死に聞き取ろうとする。
他の女子に言われても、鬱陶しいだけなのに…
ここまで気になる理由が自分でも分からない。
そして、東城が間瀬に答えるために横を向いた。
その顔は今まで見たどの表情よりも優しくて…
そして可愛かった。