雪月花
第7章 この気持ちの名前
「なぁー流星」
「んー?」
「東城さんと進展ないのー?」
「ごほっ―…!!」
俺は飲んでいたジュースを吐き出した。
それは無事に終了した球技大会から、結構経った春休みのこと。
俺と誠司は部活を終え、駅に向かって歩いていた。
もう春が来ているから、こんな夜でもそこそこ暖かい。
だからと言って、ジュースを吐き出していい訳じゃない。
「流星、汚ねぇよ!」
「うっせぇ!お前が変なこと聞くからだ!!」
そう言いながら、俺は慌てて口を拭う。
球技大会の後、あっさり誠司にばれた。
前々から何となく分かっていたらしい…
本人より早いって…凄いよな。