雪月花
第7章 この気持ちの名前
見つけたからには、何をしているのか気になるものだ。
だから俺と誠司は、こっそりとその公園に入った。
その公園は通称『桜公園』と呼ばれており、桜の季節には本当に綺麗に咲く。
去年の入学式の頃も見事に咲き誇っていて、高校からそう遠くないこの公園で写真を撮る生徒も見かけた。
今の桜は3分咲きって所か?
まだまだだよな…
中に入ると目の前に広がる桜の下に心愛がいた。
何やら桜を見つめている。
俺達はばれない様に気をつけながら更に近づく。
…って隠れる必要なんてないけどな。
すると心愛が、何か言っているのが聞こえた。
「まだまだ満開には程遠いよね…頑張って!」