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雪月花

第7章 この気持ちの名前


そう言うと心愛は公園を出ていってしまった。


俺はその背中をまっすぐに見つめる。



「もしかして心愛ちゃん。毎日、桜を見に来てるのかな?」


「かもな…」



だったら―…



「うしっ。決めた」


「何を?」


「言わない」


「はぁ?!」



誠司に言ったら、これ以上ややこしくなること確定だ。


明日から…いや。


もっとちゃんと心愛と話したら、ここで自主練しよう。


そしたらきっと毎日話せる。


だから、桜が満開になるまでにあいつとちゃんと話すんだ。


俺の秘密の決意。

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