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南の龍

第10章 缶けり


「何二人で楽しんでんだよ」

「あっ、輝じゃん。輝みっけ」

「みっけじゃないよ。ちゃんと探して」

「輝ちゃん、そんな拗ねないで?」

「拗ねてねぇよ」

「はは。輝可愛い」

「うっせ」

「てか、どこ隠れてたんだよ?」

「それは言えない」

「じゃぁ、帰る」

「えー、それはひどい!」

「じゃぁ、教えて」

「それは、やだ」

私は、無言で立ち上がって校門の方に歩いていく。

「あー、うそうそ。教えるから!帰るの駄目!」

「よろしい」

作戦成功。

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