南の龍
第10章 缶けり
「ここ」
輝が指差したところには地下室に続く扉。
「ふざけやがって」
そして輝がその扉を開いた。
そこには刻と俊を含めたヤンキースが輪になって喋っていた。
こいつらしばく。
私が真剣に探してたっていうのにこいつらは仲良く喋ってた訳か…。
「一人ずつ頭かっち割ってやる」
私は、黒い笑みを浮かべてみんなを見た。
みんなの顔を青ざめるのが分かる。
けど、そんなことはどーでもいい。
マジでむかつく。
通りで見つかんないわけだ。
「てか、木下は知ってたのかよ」
私は、後ろについてきてた木下に向き直る。
「いや、まぁ。知ってたというか知らなかったというか……」
「結局知ってたんだな」
「いや〜、うん、まぁ」
木下の腹に思いっきりパンチ一発。
「うっっ…──」
木下はそのまま膝をついて倒れ込んだ。
「そのままあばらも折ってやろうか?」
「っすまん」