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南の龍

第11章 刻ん家


家の中に入るとニコニコしたおばちゃんが立っていた。

雰囲気からして刻の母だろう。

だが、綺麗過ぎる。

刻はこの人の血をひいているんだろう。

「いらっしゃい」

「あっ、ども……です」

「ゆっくりしていってね」

「……はい……です」

そのまま刻母はリビングの方に消えていってしまった。

「早く来い」

刻母のあまりに美しさに茫然としていると刻がいつのまにか階段を上ろうとしていた。

「あっ、ちょっと待って」

私は急いで靴を脱いで刻に駆け寄った。

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