
南の龍
第11章 刻ん家
私は見事一位になった。
二位は俊。三位は刻。四位は瑠樹。
そして、まだ五位を輝と刻父で争っている。
二人ともどーしても負けたくないらしく、すごく悩んでいる。
……まぁ、当たり前か。
だからって、一枚出すのに一分以上かけられるとこっちがいらいらしてくる。
ババ抜きじゃないんだから、さっさとしろ。
そして、最後の一枚を先に出したのは刻父だった。
それにしても、長い戦いだったな。
「輝、しりもじ。自分の名前な」
私が輝にそー言ったらすごく顔が歪んだ。
「自分で言ったんだろ」
「分かってるよ」
「じゃぁ、早く」
私は笑いを堪えるのに必死だ。
