南の龍
第3章 高野家
「まぁ、そうだな」
松本と私の話をみんなは黙って聞いてた。
てか、じじぃはいつ帰ってくるんだよ。
何時間も待たされたらマジキレてやる。
一生風俗行けねぇ体にしてやっからな。
と、そんなことを考えていたら親父が幹部を何人か連れて、帰ってきた。
15分だな。まぁいっか。許す。
「話ってなに?」
私は、まだじじぃが座る前に質問してやった。
「単刀直入だな。相変わらず」
「で?」
「実織(ミオリ)が帰ってくるそうだ」
「は?いつ?」
「一週間以内には」
実織とは私の兄のこと。
去年の夏休みくらいから一年で戻るって言って放浪の旅に出ていったらしい。
私が、それを知らされたのは実織が出ていってから一週間後のことだった。
実織とはよく喧嘩してた。
まず、私は家族とあまり仲がよろしくない。
我が儘いったり甘えたり、そんなこと誰にもしたことがない。
そんなことしたいと思ったこともない。
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