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南の龍

第4章 南龍

「美椰ってのはお前か?」

ヘルメットを取った男はバイクにまたがったまま私に向かってそー聞いてきた。

なんだよこいつ。

初対面のくせにため口!

まぁ、いいや。突っ込むのめんどくさいし。

こーゆうのは無視に限る。

ナンパっぽくはないけどうざい。

今日はかなり機嫌も悪いし。


私が男を無視して歩き始めると男は焦ったようにバイクからおりて私に着いてきた。

「なぁ、無視?」

「……」

「聞いてる?」

「……」

「刻が美椰のこと呼んでるんだけど」

私はまた足を止めた。

あの糞男が!

「行かないって言っておいて」

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