南の龍
第4章 南龍
話は戻って現在…──。
「なに?」
私は、差し出されたものをみてそー言った。
「腹減ってるんだろ?」
「えっ、うん。でも私いつも取り置きしてもらってるから」
「そうか。でも俺は食わないからやる」
「あっ、うん」
じゃぁ、取り置いて貰ってるパンはもういらないか。
私は、購買のおばちゃんにそれを伝えて刻を追った。
「刻!お金!」
私は、丁度階段を登ろうとしていた刻に声をかけた。
「いらねぇ」
「えっ、マジで!?奢りかよ!」
「……」
「刻、太っ腹!」
私はそー言って刻のお腹をベシッと叩いた。
一瞬しか触ってないけど“男”の体だった。