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南の龍

第1章 南高


何が平和なんだって思うやつはきっと……いや絶対正常である。


この学校が至極おかしいのだ。

まぁ、不良が集まるような学校だから許されている部分があるんだろう。

いや、不良が許されることはないんだけどね。

それで、私がこの高校に入学する前から聞いてた噂。

噂っていうのは嘘の場合があるけど、これは真実。


“南高をしきるやつがいる”

私はこの噂を友達に聞いたときは腹抱えて笑った。

なに時代だよって!

でも、いざここに来てみるとまんざらでもないみたいだった。

まず、隣の席の中野というやつは南高をしきってるやつに中学から憧れてて南高(ここ)に入ったらしい。

中野は金髪の短髪。
もちろんながら男である。

でも、まず私はそのしきってるやつに会ったことないんだけど。

会いたいとは思わねぇけど興味は沸く。

矛盾してることは分かってるけど、だって…南高しきってるやつだろ…笑けてしょうがないぜ。

私が一人でクスクス笑ってると隣の席の中野が気付いたらしく、なんだこいつ的な顔で私を見てきた。

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