南の龍
第5章 兄貴
「話は特にない」
「は?」
私は刻に言われたことに、『じゃぁ、何しに来たんだよ』って心の底から思った。
私は、冷静に考える。
「……私に…」
「……」
「…惚れてるのか!?」
「……」
「否定しろよ。こっちが恥ずかしいわ!」
「そうだな」
「は?」
「嫌いではないから好きなのかもしれない」
「は?意味わかんねぇよ!」
私は、ベッドの上に立ってなぜか戦闘体制に入った。
「まだ、あってから一週間ちょっとしか経ってないぞ」
「……」
「ひ、一目惚れってやつか?」
「……」
「それとも……やっぱり正真正銘のストーカーか?」