南の龍
第6章 事件
「そーもいかないんだって」
「なんで?」
「俺らが正面向かって行ったって相手にしないから」
「それは、お前らが弱いからだろ」
「そう。だからこーしてる」
そー言って男は私を指差した。
そして、私は今ごろ自分の現状に気づく。
足と、手は後ろにロープで縛られてテツパイプで組み立てたベッドの上にいた。
私、この自分の現状に気付かないとかあるいみ天才かも。
「今から沢田呼んでもらうから」
「…どーやって?」
「電話に決まってるじゃん」
「……そー言われても私刻の番号しらないけど」
「は?」